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デジタルツインって一体どんなもの?わかりやすく解説!

デジタルツインって一体どんなもの?わかりやすく解説!

近年、製造業や建設業を中心にデジタルツインという言葉を耳にする機会があるのではないでしょうか。

 

デジタルツインとは、デジタル社会の成長のために欠かすことのできない大切な要素のひとつであり、今後はさらに多くの分野で活用が期待されている技術なんです。

 

この記事ではいま注目のデジタルツインの意味と、どのような分野で活用されているのかについて紹介していきます。

 

デジタルツインってなに?

これからのデジタル社会で重要になるデジタルツイン。

普段から仕事などで関係している人でなければまだまだ馴染みがない言葉だと思います。

 

ここではデジタルツインとはどのようなものかについて解説していきます。

 

・デジタルツインの定義とは

デジタルツインとは、現実世界に存在するモノや環境などから収集したデータを使って、デジタル空間上に仮想の現実世界を再現する技術のことです。

 

再現された空間は現実世界と双子のように考えることができることから、デジタルツインと呼ばれています。

 

・なぜいまデジタルツインなのか

以前からデジタルツインの技術の有用性は知られていましたが、仮想の現実世界を構築するためには現実世界から膨大なデータを収集するための手法、それらを処理するための高性能なコンピュータや解析技術など、多くの障害がありました。

 

ですが近年の、あらゆるモノがインターネットに通じるIoT社会化と高速通信、AIやシミュレーション技術の向上などによって解決されたことから、急速にデジタルツインの活用が進みはじめました。

 

デジタルツインのメリットは?

これからのデジタル社会の発展に欠かせないデジタルツインですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

数多くのメリットの中から代表的なものを紹介します。

 

・将来のリスク回避

デジタルツインは仮想空間に現実と同じ世界を作る技術です。

 

その中で動く人やモノの状態をシミュレートすることで、これまではその場・その時にならないとわからなかった問題や課題の予兆を検知することができるようになります。

 

事前に問題点を把握し、あらかじめ対策できることは、将来起こる可能性のあるリスクの回避につながっていきます。

 

・メンテナンスへの利用

デジタルツインの導入はメンテナンスにおいても効果を発揮します。

 

製造業などで使用される一つ一つの機器はメンテナンスに時間や手間がかかるものが多く、またメンテナンス中に作業や操業が停止してしまうことへの影響も無視できません。

 

そのためメンテナンスはできる限り少ない回数に抑えることが望ましいですが、これまでは機器の状態を正しく把握することが困難であったため、経過時間だけを判断基準としたメンテナンスが主流となっていました。

 

メンテナンス対象には、本来まだ使用できる部品の交換などもあり多くのムダが発生していました。

 

デジタルツインを導入し機器の稼働状態を把握することで、故障予測が可能となるため、本当に必要なモノだけを対象とする効率的なメンテナンスができるようになります。

 

・業務効率化

デジタルツインを使えば、実際に試すことが難しい大規模な施策や業務改革の効果をシミュレーションすることも可能です。

 

もし現実世界で試してみたら膨大な時間がかかる実験も、仮想空間の中では短時間で実施でき、かつ何度もやり直しがきくため、これまでは思いついても実行に移せなかった大胆な施策による効果を探ることもできます。

 

すべてが仮想空間で行われるということは、結果の見える化にもつながるため、現実世界での検証を行ったとき以上の気づきも出てくるはずです。

 

デジタルツインの活用事例

ここでは、さまざまなメリットがあるデジタルツインの具体的な活用事例を見ていきましょう。

 

産業界だけでなく、一般での活用事例もこれからますます増えていくはずです。

 

・建設現場での活用事例

建設業界はデジタルツインの活用が進んでいる業界のひとつです。

 

建設機械大手のコマツは、ドローンなどによって測量したデータと、IoTを活用して収集したデータを合わせることで仮想空間上にもう一つの建設現場を作り上げるスマートコンストラクションというソリューションを提供しています。

 

これまで部分部分でしか見ることができなかった情報を、デジタルツインによって全体を見渡せるようになることで、施工管理の効率化や作業の安全性の向上につながるなど、これからの建設業界の発展のための新技術として期待されています。

 

・工場での活用事例

中国の大手カラーフィルターメーカーの上海儀電では、工場全体をデータ化し仮想空間上に、もう一つの工場として再現しています。

 

仮想の工場では、実際の工場では目が届かなかった細かいデータまで把握することができ、操業の遠隔監視やメンテナンスの効率化が可能となります。

 

また、一つ一つの操業データを数値として見える化することで、熟練の作業員のノウハウを記録して技術継承にも役立っています。

 

・都市開発での活用事例

デジタルツインは産業界だけでなく、都市開発への活用も進んできています。

例えばシンガポールでは、世界中でもいち早く国土全体を仮想空間上に作り上げるプロジェクトが進行しています。

 

仮想化された都市モデルは、渋滞の改善からインフラ整備計画まで多くの用途で利用されています。

 

日本においても2021年に国土交通省の主導で、50を超える都市の3Dモデルを整備するプロジェクトが開始されていて、今後ますますデジタルツインの活用に注力していくものと考えられます。

 

まとめ

いま話題のデジタルツインについて解説しました。

 

産業界を中心として活用が進んでいるデジタルツインですが、これから先には私たちの身の回りでも目にする機会が増えてくるはずです。

 

交通渋滞や気象情報など生活に密着した分野に適用されれば、日常も大きく変化するでしょう。

その時に備えて、今のうちからデジタルツインについて正しく理解しておくことは大切なことかもしれませんね。

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