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史上最速の梅雨明け宣言!2022年の異常気象について解説

史上最速の梅雨明け宣言!2022年の異常気象について解説

温室効果ガス排出量の増加に伴う地球温暖化を主な原因として、近年猛暑や豪雨など、様々な異常気象が発生しています。

その中でも、今年2022年は特におかしな天気が多いと言われています。

 

今年の天気がおかしい理由を知りたい方は、ぜひご覧ください。

 

2022年の天気はおかしい?

2022年の異常気象・天気は、上半期の時点で以下が発生しています。

 

  • 記録上最も早い北海道の桜開花
  • 観測史上最速の梅雨明け
  • 季節外れの猛暑日
  • 日本列島を襲った台風と記録的な大雨

それぞれ詳細に見ていきましょう。

 

記録上最も早い北海道の桜開花

3月の時点で、各地で高い気温を記録していた北海道。

帯広では3月が1.2℃と1892年の統計開始以来、6番目に高い平均気温となりました。

 

この高い気温から、3月の時点で北海道の桜の開花は平年より”やや”早い、もしくは”非常に”早い”と予測されていました。

結果、函館では統計開始以来3番目に早い4月21日の開花。

 

さらに帯広では4月22日に開花、帯広と札幌では4月25日に満開、網走でも4月27日に開花し3日後の30日には満開と、いずれも統計開始以来最速で咲き進みました。

 

北海道で高気温を記録し開花が早まった要因として、偏西風が平年よりも北を流れ、北海道など北日本から西日本を中心に暖かな空気が流れやすくなったことが挙げられます。

結果的に、3月の平均気温は広い範囲で平年よりも高くなりました。

 

観測史上最速の梅雨明け

気象庁は、6月27日、九州南部、東海、関東甲信で梅雨明けが確認されたと発表しました。

これは平年と比較すると、九州南部では18日早く、東海・関東甲信ではなんと22日も早い梅雨明けです。

さらに、四国・中国地方でも同様に平年よりも早い梅雨明けとなり、各地で最短の梅雨期間を記録しました。

 

これは6月中旬~下旬にかけて発生した気象が原因とされています。

1つは、南シナ海の対流活動が活発になり、太平洋高気圧の勢力が平年よりも強かったこと。

 

そして1つは、偏西風が平年よりも北を流れ、かつ日本付近で北に蛇行していることで、太平洋高気圧が日本付近に張り出す形となったことです。

結果、梅雨前線が平年よりも早く北に押し上げられ、異例の時期での梅雨明けに繋がりました。

 

観測史上最速の梅雨明けとなったことで、全国各地で水不足も懸念されています。

実際、ダムの貯水率が下降傾向にある地域は多く、今後の雨の量によっては対応が求められてくるでしょう。

雨の日が少しでも発生し、水の確保ができることを望むばかりです。

 

季節外れの猛暑日

群馬県の伊勢崎市では6月25日、最高気温が40.2℃に達し、6月の記録として歴代1位の高気温となりました。

また、東京都でも最高気温が35.4℃に達し、記録開始以来最も早く猛暑日として観測されました。

※35℃以上の気温を観測した日を猛暑日といいます。

 

さらに6月の1か月間で見ると、熱中症で病院に運ばれたのが全国で1万5,657人、死亡者17人と、いずれも統計を取り始めた2010年以降最も多い数を記録しました。

 

この例年よりも早い時期に訪れた連日の猛暑は、「亜熱帯高気圧」とも呼ばれる太平洋高気圧が地上で、チベット高気圧が上空で発生し、これらが合わさった”ダブル高気圧”が九州~関東を中心に覆ったからとされています。

 

これは偏西風が平年よりも北を流れていることや、南米ペルー沖の海面水温が平年よりも低くなる「ラニーニャ現象」などを要因として発生したものです。

 

これに加えて、都市部などでは、山を越えた空気が熱風となり吹き下りる「フェーン現象」も相まって、さらに気温が上昇しました。

 

この猛暑は6月~9月頃まで続くとされており、電力不足や水不足、熱中症患者の急増への対応など、様々な対策が求められるでしょう。

 

日本列島を襲った台風と記録的な大雨

2022年は7月に珍しく台風が上陸、高知県では短時間で集中豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生し同県中土佐町では土砂災害が起きました。

 

また、福岡、長崎、熊本などでは1時間に100mm以上の雨が降るなど、全国各地で様々な被害が発生しました。

同じく高知県須崎市では、3時間で208ミリの雨を記録し、観測史上最多となっています。

 

この時期に台風が上陸した原因も、太平洋高気圧です。

台風は高気圧を横切ることができず、高気圧に沿って移動します。

 

太平洋高気圧が後退を始め、そのタイミングで台風が発生。追うような形で急カーブをし、日本列島に向かって進行しました。

 

下半期も続く?予想される異常気象

このように上半期の時点で異常気象が連続して発生する2022年ですが、下半期も引き続き例年とは違う気象・天気となることが予想されています。

 

続く猛暑日

総務省消防庁は2022年7月20日に熱中症による救急搬送人の人数を3528人と発表しています。

(7月11日~7月17日の1週間)昨年2021年の同時期においては、救急搬送人の数は4108人と、昨年よりは580人少なくなっています。

 

しかしそれでも、今後9月にかけて暑い日が続くと予想されており、平均気温は北日本から西日本にかけては平年より高く、沖縄は平年と同程度か平年以上となる見込みで、全国的に厳しい暑さの夏になりそうです。

 

これはラニーニャ現象が大きく関係してます。

 

ラニーニャ現象が発生すると、南米沖の太平洋海域で海面の水温が平年より低くなり、赤道付近で東から西へ吹く風が強まります。

 

そして太平洋の西方インドネシア近海海上に暖かい海水が集まります。

 

さらに海水温が高くなり積乱雲の多数発生、上昇気流が生まれます。

結果、上昇気流が日本の近海に降りてくることで、日本列島周辺の太平洋高気圧の勢力が強まり、猛暑となります。

 

このラニーニャ現象について気象庁は「夏までは続く可能性が高く、長い場合で秋頃まで続くかもしれない」との見解を示しており、長い期間暑さに影響がありそうです。

 

台風は平年より少ないが警戒が必要

7月時点で日本列島に上陸した台風ですが、2022年の発生数は23前後と予想されており、例年平均の22~26個と比較すると、同程度または少なくなる予測です。

 

これは台風シーズンとなる8月~9月頃にラニーニャ現象が継続することなどを要因としています。

ただし、9月以降に偏西風が南下すると、台風は沖縄から本州に向かうことが多くなるため、注意が必要です。

 

平年より多いゲリラ豪雨

気候変動やヒートアイランド現象など、日本の気温が上昇傾向にあることと関係のあるこの豪雨は、太平洋高気圧周辺の湿った空気が流れ込んだり、上空の寒気が通過して大気の状態が不安定になったりする時に発生する傾向があります。

 

2022年7月5日にウェザーニュースの発表した「ゲリラ豪雨傾向2022」によると、2022年7〜9月のゲリラ豪雨の発生予想は、全国でおよそ90,000回とされています。

 

昨年2021年と比べると1.4倍、過去5年平均と比べると1.9倍になっています。

今年はゲリラ豪雨の発生が多くなるため、注意しましょう。

 

<<さいごに>>

ラニーニャ現象による太平洋高気圧の勢力拡大などにより、異常気象が続いている2022年。

 

今回紹介したビルメンテナンス業界だけでなく、様々な業界への影響も懸念されており、なお一層の警戒と対策が必要です。

 

個人であれば熱中症や電力不足への対策を、事業者であれば電力不足や水不足、台風など異常事態に備えたBCP対策の整備などを進め、2022年を乗り越えましょう。

 

ただし、地球温暖化による異常気象は今年に限ったことではありません。

 

すでに近年異常気象が多く発生していることから、その影響は今後もあるだろうと予測されます。

地球温暖化を防止するという観点をもちつつ、異常気象が少しでも発生する世の中を作っていく必要があるでしょう。

 

特に夏から秋にかけては、台風が多い季節です。

台風だけでなくゲリラ豪雨による水害対策が必要です。

次の記事では、ビルメンテナンス企業が知っておくべき水害の被害や対策についてお話します。

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