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これからも「この施設で学びたい」そう思われる美観を維持するために 法政大学/『RULO Pro』導入事例

これからも「この施設で学びたい」そう思われる美観を維持するために 法政大学/『RULO Pro』導入事例

人の手に代わり共用部やホールなど広い空間の清掃作業を担うパナソニックの業務用ロボット掃除機『RULO Pro』。

今回は導入から1年が経過したという、法政大学市ケ谷キャンパスの校舎清掃で『RULO Pro』がいかに活躍しているのか。

 

導入を担当した東京海上日動ファシリティーズ株式会社の山中伸也氏(市ケ谷総合管理統括責任者)と現場責任者である株式会社信陽の田中弘氏に導入の経緯や効果、期待していることについて話を聞きました。

 

法政大学という現場の特性とその課題

東京、市ヶ谷エリアのランドマークとなっている「ボアソナード・タワー」を中心に15の校舎、多様な学習施設が建ち並ぶ法政大学市ケ谷キャンパス。

『RULO Pro』は大内山校舎と富士見ゲートの共用部で稼働しており、夜間のカーペット清掃に使用されています。

 

「学生に“この施設で学びたい”と思ってもらえるような美観の維持に務めています」と語るのは市ケ谷キャンパス全体の統括管理を行う東京海上日動ファシリティーズの山中さん。

 

大学は公共性がある施設であり、学外者の利用も多く、とくにオープンキャンパスや学園祭、入試など、大勢の外部の方々が利用されるイベントには気を遣うのだとか。

 

法政大学は受験者数が多いことでも有名です(2022年の志願者数は10万人超え)。

 

授業が22時まであるうえに敷地面積が広く、日中・夜間と部隊を分けて清掃作業を行っていますが、そういった環境で働く人材の確保が以前からの課題となっていました。

 

コロナ禍により消毒作業が追加されましたが、実際に使用される施設も限られたため、何とかやりくりできていました。しかし、ウィズコロナで対面授業が戻ってきたというのが現状です。

 

将来的に人手不足という課題を解決すべく取り組んできたのがロボット導入になります。

 

走破性、ルートの正確性、除塵能力の3つで高評価

東京海上日動ファシリティーズでは以前から清掃ロボットの試験導入、検証を行ってきました。

昨今の技術革新で、性能がより向上した清掃ロボットが各メーカーから登場している状況を踏まえ、改めて複数台の清掃ロボットの検証をしたそうです(技術支援部署である建物管理業務部および法政大学市ケ谷総合管理の所管部署である営業開発部が共同で検証を実施)。

 

「走破性、ルートの正確性、除塵能力という3つの観点で、どのような状況にも使えるのではないかという結果を得られたのが『RULO Pro』でした。

 

作業基準の要件を勘案し、一定程度の面積と稼働時間があれば費用対効果も見込めるとの社内評価を基に、法政大学の事業会社である株式会社エイチ・ユー様、ならびに法政大学様に一から経緯・目的を説明し、導入の同意が得られました」

▲東京海上日動ファシリティーズ株式会社、市ケ谷総合管理統括責任者の山中伸也さん

 

また、再委託先として、設備・清掃の2つの分野の現業を担当する株式会社信陽は東京ビルメンテナンス協会で清掃ロボットの推進役を担っており、同現場で別の清掃ロボットを試行した実績もあり、協力を依頼し易い環境でもあったと山中さんは言います。

 

導入を決めてから実際に導入するまでには以下のような準備を進めていきました。

 

  • 2021年3月 法政大学様、エイチ・ユー様への提案説明、許諾
  • 2021年4月 パナソニック、信陽との契約内容協議、現地調査
  • 2021年6月 清掃範囲の測定、マップ作成、試走
  • 2021年8月 稼働開始

「現場へ導入する具体的な目的としては、先の課題にあった人材の確保が一番ではありますが、すぐに解決できるものとは考えていません。

 

まだまだ発展途上の技術であり、メーカーと協力して検証・改善を繰り返し、目的に近づくことができれば良いと思っています」

 

1日約20分の時間節約を実現

 

実際の現場で『RULO Pro』がどのような使われ方をしているのか、現業を担当する株式会社信陽の田中さんに聞きました。

 

「『RULO Pro』を動かす夜間作業は1校舎3人体制を取っており、そのうちの1人が操作を担当します。

 

各フロアともエレベーターホールの屋内消火栓前をスタート位置と決めており、保管場所からそこまで移動させたらマップを選んでスタートボタンを押すだけ。

共用部のカーペット床清掃を『RULO Pro』に任せ、我々は教室(机、椅子、教卓、黒板拭きあげ、教室内床清掃)やトイレの清掃に向かいます。

 

また壁際や什器の周辺はロボットが寄れる限界があるため人の作業としています。

作業が完了するとあらかじめ設定したスマートフォンに通知が来るので次のフロアに移動させます。

 

1フロアの作業時間は40~50分。6時間の充電で2時間程度は稼働するため、1日2フロア、できるときでも3フロアまでと決めています。

 

『RULO Pro』は1台しかないため、大内山校舎を1週間かけて清掃し、次の週は富士見ゲートで動かすという使い方をしています」

 

導入前に比べると1日約20分の時間節約となり、専用部に時間をかけられるようになりました。

 

さらに広い箇所は『RULO Pro』、その他隅は人の手でといった具合に作業範囲を明確化することで効率化も実現できたと田中さんは言います。

 

その第一印象は「軽くてコンパクト」というもので、スタート位置までの運搬も楽々。保管の際も邪魔になりません。

メンテナンス性も優秀で、バッテリー交換につまずくスタッフは一人もおらず、ゴミの排出も2週間に1度の頻度でOK。

 

ピンやコインといった大きなゴミはダストボックスが受け止め、細かな塵は紙パックへ。詰まりや紙パックの破損が少ないだけでなく、学生の落とし物を確認できるといったメリットもあるのだとか。

 

▲フロントカバーを外してバッテリーを交換。セット後ロックキーをかければバッテリーが作業中に外れることはありません

 

▲大きなゴミを受け止めるダストボックス

 

▲フィルターレスなのでメンテナンスが楽。紙パックの交換も手軽に行えます

 

▲ブラシを傷めないよう先端を持ち上げて運搬。非常に軽い

 

▲掃除の文字と法政大学のキャラクター「えこぴょん」をあしらったオリジナルラッピング 。デザイン案は山中さんが作成

 

過去2回の失敗と明暗を分けたものは?

田中さんが法政大学を担当するようになって15年、実は清掃ロボットの導入は3回目なのだとか。正直なところ、今回も導入には懐疑的だったそうです。

 

過去2回の失敗の原因はなんだったのでしょうか。

 

▲株式会社信陽、法政大学市ケ谷キャンパス 清掃責任者の田中弘さん

 

「以前のものはルート設定など、清掃員が自分たちですべてやらなければなりませんでした。その作業が各フロアに必要で、本業とは別にそこまでやる時間が取れませんでした。また、設定の難度が高く、できる人がいないと作業が始められない。早々に使用を断念しました」

 

一方で『RULO Pro』は導入前にパナソニックの営業マンがサポートですべてマップの設定を行ってくれるため現場スタッフはスタートボタンを押すだけ。導入に関わる苦労といったこともほとんどなく、その扱いやすさからスムーズに現場になじんでいったそうです。

 

また、作業状況を知らせるスマートフォンはパナソニックとのホットラインになっており、作業開始と完了のほか、エラーが発生して止まってしまった状況等をパナソニック側も共有しており、素早いサポートがとてもありがたいとのこと。24時間体制の手厚いサポート体制も現場定着に一役買っています。

 

信陽では外国人スタッフを積極的に雇用しており、実際に『RULO Pro』の操作を担当することも多いのですが「ここに置き、このボタンを押してスタートさせてね」と教えるだけで、直感的な操作で問題なく使いこなすことができます。

 

導入から1年以上が経過し、今ではスタッフ全員が扱えるようになって、ロボットの操作が特別なものではなくなりました。

 

「清掃ロボットは頭から使えないものと拒んでいた部分があります。以前に比べると今のロボット、とくに『RULO Pro』はまったく違うので利用価値は大きいと思います」

 

現場にとっても、田中さんにとっても、『RULO Pro』はすでに“なくてはならないもの”になっているのだとか。

 

学生とロボットが共存するキャンパスを目指して

▲まだまだ改善できる点は多いと互いに語る山中さんと田中さん

 

「今後も実運用ベースでの検証を行い、課題を整理し、改善につなげたい。それにより、清掃範囲を拡大、台数を増やし、日中も稼働させたい」

 

今後の『RULO Pro』の活用について、山中さんも田中さんも同じ思いを持っています。実現のためにまずは法政大学オリジナルラッピングの『RULO Pro』の展示を行い、校舎の清掃で活躍していることをアピールし、学内へ浸透させていくことを計画しています。

 

「今後のデジタル化社会においては、AI、ロボティクスはより身近なものとなり、将来的には日常的にさまざまなロボットが活躍、人々と共生している社会がやってくると考えられます。即実現には至りませんが、アピールを続け清掃ロボットと学生があたりまえに、一緒に動いているキャンパスにしていきたいですね。」

 

そんな未来の創造に貢献したいという言葉で山中さんにインタビューを締めくくっていただきました。

 

 

■導入現場紹介
法政大学 市ケ谷キャンパス

法政大学は、1880年4月設立の東京法学社(のち東京法学校)および1886年設立の東京仏学校を前身とする私立総合大学。東京六大学の一校であり、現在は15学部・大学院17研究科を擁し、スーパーグローバル大学にも選定されている。市ケ谷・小金井・多摩の3か所にキャンパスを有しており、今回訪問した市ケ谷キャンパスは東京都千代田区に所在。旧江戸城外濠、靖国神社付近に立地しており、都心の緑地に囲まれている。

  • 住所 〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1
  • URL  https://www.hosei.ac.jp/

■管理会社紹介
東京海上日動ファシリティーズ株式会社

東京海上グループのビル管理を主体とした総合ファシリティマネジメント会社。神奈川県川崎市に本社を置き、全国各地に本支店・営業所を設ける。総合ファシリティマネジメント会社として、清掃のみならず、設備メンテナンスや警備も施設の環境衛生と捉えて、利用者様が安全・安心・快適に過ごせるようコンプライアンスに基づいた施設環境を提供し、またお客様に寄り添って、全体を最適化するファシリティマネジメントを目指している。

  • 住所 〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番地 ミューザ川崎セントラルタワー 22階
  • TEL  044-543-2300(代表)
  • URL  http://www.tkn-f.co.jp/

■施工会社紹介
株式会社信陽

東京、東麻布を本拠とする総合ビルメンテナンス会社。50年を超える経験と実績を生かし、徹底した現場主義と24時間の機動力で、お客様にクオリティの高い快適な空間を提供する。

  • 住所 〒106-0044 東京都港区東麻布2-26-2
  • TEL  03-3560-7800(代表)
  • URL  http://www.shinyo-web.co.jp/

商品についての問い合わせ先

『RULO Pro』の製品ページは こちら

『RULO Pro』のデモ依頼、商品の問い合わせについては こちら

『RULO Pro』のカタログダウンロードは こちら

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