接客業をするにあたって、重要なのは言葉遣いといわれています。近年では商品やサービスには大きな差はないといいます。
そこで売り上げをアップするためにはそこで働くスタッフの良し悪しが大きく影響します。
お客様に快適に買い物してもらうためには、接客力ひいては言葉遣いがものを言います。
1.接客業でよく使われる言葉とポイント
お店のジャンルやサービス内容によって、どのような言葉をお客様にかけるかは変わってくるでしょう。
一方で業種関係なく、接客業では定番の表現もあります。定番の表現とどのように声掛けをすればいいかについてみていきます。
・いらっしゃいませ
言わずもがなの来店したお客様にかける言葉です。実店舗であれば、第一声はこの言葉になるでしょう。
店によって言い方のマニュアルが決まっている場合もあるようです。
しかし基本はお客様の方を向いて、語尾を伸ばさずに言うことです。
お客様に聞こえるように、大きな声ではっきりと発音するように心がけましょう。
さらに笑顔で話すことで、お客様も気持ちよくなります。
ファーストコンタクトなので、このいらっしゃいませの良し悪しでお店の第一印象が決まってしまうといっても過言ではありません。
・ありがとうございます
お客様に買い物してもらった時、お店を出ていくときにかける言葉で定番です。
このフレーズはいろいろなシチュエーションで活用できます。
他にも例えばお客様が何かに気づいて指摘してくれた場合にも言っていいですし、お店で取り扱っている商品を褒めてもらった時にもこちらの言葉を使うといいでしょう。
お客さんに何かしてもらった時に「すいません」という言葉も適切ではあります。
しかしどこかネガティブな印象を与えかねません。
「ありがとうございます」
と感謝の気持ちを伝えたほうが、お客様も前向きな印象を受けるでしょう。
・申し訳ございません。
お客様からクレームが入ったとき、何か迷惑をかけてしまった時に言うフレーズです。
中には「申し訳ありません」という人もいるかもしれませんが、これはやや丁寧さが足りないです。
「申し訳ございません」の方がよりていねいなので、お客様に対する誠意を見せられます。
お店の不手際を詫びる言葉ですから、できるだけていねいな表現を用いるのが好ましいです。
こちらの表現の前に「大変」という言葉をつけるとさらにていねいになります。
「すいません」はフランクな言葉なので、お客様によっては不快に感じる可能性もありますので避けましょう。
2.ありがちなNG言葉遣い
よく使っている言葉の中には、接客業ではNGだったり間違っていたりする表現もあります。
代表的な言葉遣いについてここでいくつかピックアップしてみたので、接客業をする際には特に注意してください。
・こちらにお座りください
この表現はつい言ってしまったり、お店に行ったときに店員さんに言われたりしたこともあるでしょう。
しかしこれはあまり好ましくありません。言葉遣い上は決して間違いではないのですが、「お座り」という言葉はペットのワンちゃんに対して言う言葉でもあります。
ワンちゃんのしつけをイメージするお客様もいて、不快に思う可能性があります。
この場合、「こちらにお掛けください」というのが無難です。
・○○様でございますね?
名前の確認をするときの表現ですが、これは間違いです。
「ございます」は「ある」の丁寧語のほかにも身内に対して使う謙譲語でもあります。
お客様によっては後者ととらえる場合もありますから、「○○様でいらっしゃいますね?」と尊敬語を用いましょう。
・○○円からお預かりします
この言葉、お店で聞いたことのある人もいるでしょう。
しかしこれはおかしな表現です。
「から」と言われると「さらにお金をとるつもりか?」と思ってしまいます。
どうやらこのおかしな表現が接客業でしばしば使われるのは「○○円、お客様からお預かりします」という表現の名残のようです。
この表現の中では「お客様」が抜け落ちてしまって、今でも接客業ではまかり通っているわけです。
この場合、「から」は不適切なので「○○円お預かりします」と言えばいいでしょう。
・~のほうをお持ちしました
これもお店で聞いたことがあるという人も多いかもしれません。
この場合「ほう」は不必要です。
何か特定のものを持ってくる、選択肢のない場合には必要ない言葉です。
「~をお持ちしました」と言えばスマートですし、ただし言葉遣いです。
3.まとめ
接客業では言葉遣いが非常に大事です。
言葉遣いがおかしかったり、間違っていたりするとお客様がモヤモヤしたり、時に不快に思ったりすることもあるかもしれません。
接客で欠かせない基本的な言葉遣いはお店に出る前にしっかり覚えておきましょう。
またお店で使われている言葉の中には実は間違いの表現も結構あります。無意識で使って、相手に失礼にならないように注意しましょう。