ビルメン/環境経営の取り組み・その②実践法

ビルポ事務局

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近来、SDGsやサスティナビリティーと呼ばれる環境保護など社会的に持続可能な社会を目指すという試みが世界的に高まりを見せています。

ビルメンテナンス業界はその特異的な業務形態から、環境に配慮した営業形態と事業展開を考えていかなければならないと思慮します。

ビルメンの環境経営と題して既述しましたが、では、環境経営を実践していく上でどの様な段取りが必要なのか、また、社会的な信頼度を上げるための環境に特化した認証を取得するための取り組みなどをご紹介してみます。

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ビルメンが取り組むべき「環境経営」とは

ビルメンテナンス業務は、「環境衛生管理業務」「点検管理業務」「警備保守業務」が主なものとされています。

ビルなど不特定多数の人々が利用する施設、建物について安全で衛生的、な環境を維持し、快適に過ごせる居住空間を保全する役目を担います。

ビルメンテナンス業務は多くの場合、環境に配慮し、環境問題に関連して定められた法令の順守など適切な業務管理が求められています。

インシデントへの配慮を怠り、重大なアクシデントの発生や法令違反などがあれば、業務停止命令や罰金など経営自体にも支障をきたし、また、社会的信用度失墜という大きなリスクを背負わなければなりません。

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環境経営の取り組み手段

ビルメンテナンス業務は前述した多大な環境的リスクを避けるため、及び企業の社会的責任(Corporate Social Responsibity;CSR)についての対応を確実化するために企業内において「環境マネジメントシステム」を構築して継続させていくことが必要です。

ビルメンテナンス業界においての環境的な責任と社会的責任を果たし、多様と言われている環境問題をクリアして事業展開に結び付ける経営の課題に取り組むのに必要とされるマネジメントシステムを挙げてみます。

〇ISO14001:環境マネジメントシステム

環境に関する代表的マネジメントシステムです。ISOとは“国際的な規模にて世界で共通する基準を統一した規格”です。

「ISO14001:環境マネジメントシステム」はサスティナビリティー(持続可能性)の考えのもと、環境保全への取り組みの実践、環境に及ぼすリスクの低減を図ることを目的とされていますので、ビルメン企業にはぜひ必要とされるシステムでしょう。

マネジメントシステムの要求事項の理解と自社の状況に沿った適用範囲と実践ルールを策定し、P(計画)、D(実行)、C(チェック)、A(改善)のサイクルに従って周囲(利害関係者)に対して環境に悪影響を与えることを回避するよう配慮し、環境保全により社会的信頼と生産性向上へと運用していきます。

社会的信用度が高く、総合的に業務を行うビルメンテナンス企業には、ぜひ構築しておきたいマネジメントシステムです。

【構築までの流れ】

業務に関するリスク低減には有効ですが、構築から運用までには時間を要し、人的要件、導入コストなどに負担が大きいのがネックとなるでしょう。

ISO規格(品質・環境)のマネジメントシステム認証取得には、どちらも2015年版規格文書に沿って自社のマニュアルを作成しなければなりません。

・会社トップによるISO14001環境マネジメントシステムの取得宣言を社内に宣言します。

・ISO管理責任者とメンバーの選任をします。

・適用範囲を決定します。(本社、支社(支店)、営業所など)

・規格に沿って自社に適合した品質・環境の統合マニュアル文書を作成します。

・規格及び作成した統合マニュアルに沿い、P(計画)D(実行)Cチェック)A(改善)によって実証する帳票を作成し運用します。

・運用した実務が適切であったかの部門別の内部監査を行う。内部監査によって不適合発生の場合は、期限を決めて是正処置を施し、改善されているかを確認する。

・マネジメントレビューを実施し、会社トップの承認を得る。

・第三者審査機関によって一次及び二次審査が実施され、不適合等がなければ認証機関に推薦され、認証取得となり認定証の発行とロゴ使用が認められます。

・3年に1度の更新審査があり、その間年1度の維持審査が実施されます。

(※ 規格は理解するのが難しいので、コンサルを受けるのがベストです。また、第三者審査機関との契約が必要です)

【費用】

認証取得に向けてのマニュアル・帳票の構築を自社で行うかコンサルタントに依頼して行うかで費用面で違いが生じます。

自社での場合、ISO管理責任者やメンバーは本来の業務と並行して行わなければなりません。

業務ロスと時間的ロスなどの発生による損失も考慮しなければなりません。

そのネックを軽減する方策としてコンサルタントとの契約により構築過程をスムースに行うことができ、費用対効果が期待できます。

(※ 多くのコンサルタント会社があり、料金等も様々ですので、数社からの見積によって決定することが望ましい。)

・審査費用

ISO14001:環境マネジメントシステムの認証を取得するには、第三者審査機関(契約)による審査を受けなければなりません。

最初の認証取得の費用は一次審査、二次審査、ISO登録料が発生します。

その後、認証を継続して運用していくために、初年度認証取得から1年目、2年目に適切な運用が行われているかをチェックする維持審査が実施され、3年目に更新審査が実施され費用が発生します。

審査に要する費用は、審査する場所の数(適用範囲:支店・営業所、部署等)、従業者の数による審査工数(時間)によって費用が決まります。

審査料金は審査機関によってさまざまですが、概ね最低工数で50~150万円ほどで差があります。

〇エコステージ

ISO14001環境マネジメントシステムの認証を取得するまでには、取得するまでの工程に関してかなりハードルが高く、時間も要します。

エコステージは、ISO14001の要求事項をクリアするために段階的にそれぞれの課題に対応できるように設定されています。

エコステージの各段階をステップアップすることによって将来的にISO14001の認証取得に向けて社内体制を整えるために支援するのがエコシステムで、一般社団法人「エコステージ協会」が認定しています。

大手企業のグリーン調達要求など取引に関する基準としても推奨されており、環境に関する法令遵守、労働環境の改善などさまざまな課題を抱える環境リスクの低減への取り組み、従来の経営管理とのリンクによって、環境経営へのステージアップを図るうえで有効なシステムとされています。

ISO14001:環境マネジメントシステムの認証取得を目標とするビルメン企業には基本的社内体制を整えることができるシステムでしょう。

エコステージは、企業の規模や資金面、環境経営に向けての目的によって5段階に設定されたステージによって構成されています。

エコステージ1…環境経営の導入(基礎的環境マネジメントシステムの構築)

エコステージ2…環境経営の基礎(環境マネジメントシステムの体系的構築)

エコステージ3…環境経営の成熟(業務プロセスのより良い改善)

エコステージ4…環境に関する統合的マネジメントシステムの構築と明確なパフォーマン

ス改善(組織横断機能の充実化)

エコステージ5…内部統制システムの構築とCSR(企業の社会的責任)の実現

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エコステージ認定までの流れ

企業トップによるエコステージへの取り組み開始宣言により、社団法人「エコステージ協会」への認定申請を行います。

・申し込み後、訪問調査・研修該当組織担当員による訪問調査(現場の状況確認と具体的な改善項目の抽出を行います。6~9ヵ月程度の必要に応じたコンサルティングと講習の後、評価員によって実地評価が行われ、第三者評価委員会にて認証が決定すると「エコステージ認定書」「エコステージ認証書付属書」が発行されます。

認証取得後、認証日から起算して1年後を基本に毎年1回の定期評価、3年に一度の更新審査が実施されます。

【費用】

・コンサルティング…1日:凡そ22万円 半日:15,4万円程度

・標準料金は従業者数、サイト数(適用範囲)、業種別によって異なります。

 <初年度>訪問調査・研修22万円(1×1) 登録評価22(1×1)~88万円(2×2)

 <1・2年後>定期評価22(1×1)~44万円(2×1) 

3年毎更新審査22(1×1)~88万円(2×2)  ()内(評価員数×所要日数)

別途評価時に認証維持・更新料として5,5万円掛かります。

(※ 一般社団法人 エコステージ協会

〇エコチューニング

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基本ロゴマーク

「ECO(エコ)」の文字をビルに見立てて、立体的な造形を作り、そこから新しい芽が出てくるというイメージです。

「エコチューニングの取り組みを進めることによって、未来に向けて地球環境を守る」というメッセージが込められています。

エコチューニングとは、建築物の設備機器システム等から排出される温室効果ガスを削減する取り組みとして、建築物の設備機器等の適切な運用改善を行い、建築物の快適性と生産性を確保しつつ、無駄なエネルギーの消費を抑えて脱炭素に貢献することを目的とした環境省による事案であり、近来高まりをみせているSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みにも貢献しています。

【エコチューニング事業者認定制度】

環境省が定めた「エコチューニング認定制度運営ガイドライン」に基づき、エコチューニングの計画策定からエネルギーの使用状況等の詳細分析と実施能力、経営状況、適正な法令の順守体制、エコチューニングに関する技術管理者を選任しマネジメントシステムの運用及び整備の状況など、基準をすべてクリアできているかの判断によっての優良事業者を認定する制度で、2016年度よりエコチューニング認定制度を運営する、公益社団法人「全国ビルメンテナンス協会」の運営事務局「エコチューニング推進センター」によって認定をおこなっており、現在142社が認定を取得しています。

環境に関して運用改善を目指し、温室効果ガス削減の技術能力を向上させてビジネスに結び付ける取り組みを考えたいとする企業におすすめです。

【エコチューニング技術者認定制度】

エオチューニング技術者とは、建物の設備機器及びシステムについて適切な運用改善によって、温室効果ガスの排出制限や削減など環境への負荷低減に関わる技術を行使できることで、建物のエネルギーの消費状況などの実態把握をし、エコチューニング計画策定、システムの効率化を図る目的のPDCAサイクルの実践指導によって、エネルギー消費削減を図る役割をする「第一種エコチューニング技術者」と、エコチューニングの計画等に基づいて、建物の設備機器・システムの運転管理の設定と調整等を実行できる「第二種エコチューニンング技術者」とがあります。

【エコチューニング事業者認定までの流れ】

エコチューニングの意義等をよく理解して、事業者認定を受けるには、

・「エコチューニング事業者認定制度要綱」に定められた申請書類を作成して期間内に提出。

・書類審査による確認が実施され、ヒアリング等が行われて必要があれば書類の再提出が求められます。

・書類審査の後、エコチューニング推進センターによる二つの委員会での認定の可否の審査により決定されます。

・認定が認められた事業者には「認定証書」が交付され、及び「ロゴマーク」の使用が許可されます。

・認定受領後、年1回4月に前年度に実施した「エコチューニング事業」の業務を報告します。

【費用】

・新規申請手数料…55,000円(消費税込み)

・更新申請手数料…33,000円(消費税込み)

・審査決定による認定を受けた事業者は認定料として220,000円(消費税込み)を納入。

(※ 公益社団法人「全国ビルメンテナンス協会:エコチューニング推進センター」

まとめ

ビルメンテナンス業務はそれぞれの業務の特質性により、温室効果ガス等の削減など環境保全には深い関わりをもっています。環境影響には適格な対応が求められ、人々が利用する施設(建物)が安全かつ衛生的で快適な居住空間を維持していかなければなりません。

社会的にもSGDsやサスティナブルといった実現可能な社会へと高まりを見せていて、環境保全への取り組みが活発になっています。

ビルメン業界でもこのように多様化する社会的環境問題を真摯に受け止め「環境経営」への取り組みを行っていく必要があると考えます。


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