
皆さんは不動産業界に対してどういった考えをお持ちでしょうか?
不動産と聞くと、自分が住むためのもの、自分が所有して他人に貸し出すもの、資産として所有するもの、様々なイメージがあると思います。
不動産の価値というものは、立地や需要と供給のバランスなどで価格が形成されるものですが、『現在のコロナ禍において、その価値はどうなっているのでしょうか?』
また、前述しているように、不動産と言えば自分が住むための物も該当しますが、『購入するパターンと賃貸で借りるパターンと、どちらが人気なのでしょうか?』
そして、現在円安などで「円」の価値が暴落し、日本自体の価値が落ちているという話も聞くことがありますが、『日本の不動産業界は今後どうなっていくのでしょうか?』こういった疑問に関して解説します。

不動産とは?人気の不動産は?
・不動産概論
不動産を語るうえで、まずは概論的な部分を抑えておきましょう。不動産とは、民法上では「土地および土地に定着している物」を指します。
逆に、それ以外の物は「動産」と呼ばれるそうです。不動産には、マンションやアパートや一軒家などの建物だけでなく、石垣や橋、立木などを含めて呼称される場合も往々にしてあります。
要するに、土地やそれに付随する建物などの建造物を含めて「不動産」と呼ばれるということですね。
我々も、家に住んでいる以上は、不動産に住んでいるという認識になるでしょうし、形態的には、所有しているか借りているか、これが大きな違いになるかと思います。
とはいえ、現在は超低金利施策の真っ最中であり、家を建てる人が増えている現状があること、そして、不動産の価値は右肩上がりの最中であることは踏まえておく必要があります。
・賃貸派か購入派か
家に住むといった時、皆さんにいつか訪れるであろう「賃貸」か「購入」か、という選択場面。現状ではどちらが主流なのでしょうか?
これは、永遠に論争されるテーマであるとも言われていますが、やはり双方のメリット・デメリットが確立されており、個人の好みになってしまうようですね。
賃貸派の主張は、メリットとして、自分のライフスタイルに応じて住む土地や物件を容易に選択・変更できるということが第一に挙げられます。
自然災害のリスクなども常に潜んでいる中で、持ち家だと修復費用などが完全自己負担であることなども、金銭的リスクが高いと判断されているようです。
また、隣人トラブルなどの回避のためにも、わざわざ賃貸物件を選んでいる方もいるようですね。
購入派の主張は、メリットとして、ローンで購入した後に自分の所有物・資産になることが第一の理由として挙げられています。
毎月お金を賃貸で払うのであれば購入したほうが断然お得に決まっている、何より自分の城が欲しい、と単純に思っている方も多くいることでしょう。
確かに、自分の不動産資産が持てるのは嬉しいことですね。
どちらの主張にも一長一短があり、なかなか議論がやまないところではありますが、皆さんはどちらの意見がより心に響くでしょうか?

現在の不動産の価値は?
・本当に都会が有利なのか?
不動産の価値というものは、元々の土地の価格に影響を受けることが大きいです。上物(建物)同士は都会であろうと田舎であろうと単純比較ができますが、土地の価格は、人口が多いエリアや地域、首都や県庁所在地などで金額が高いことがほとんどです。
土地や建物を所有したい場合には、当然「価値」は都心部で高くなる傾向があるのは間違いありません。
そして、不動産は購入した直後から価値が下がっていくものですが、売却する時には、次の買い手が見つかるまでは手放すことができません。
その買い手が見つかりやすいのも、比較的駅が近いなどの立地や人口が多いエリアでより人気があることは、説明する必要もないほどの事実です。
こういった考えを元にすれば、都心部の物件がより買い手が見つかりやすく、売却の際も目処が立ちやすいのは明白でしょうが、何せ初期費用が当然高くつきますので、そこは悩みどころとなります。
・一軒家とマンションで違いはある?
一軒家とマンションで資産価値に違いは生じるのでしょうか?大きな違いとしては、土地があるのか無いのかといった点になります。
建物の価値に関しては、実はマンションよりも一軒家のほうが、下落率が高いのです。したがって、マンションの価値は一般的には下落しづらく、長く価値を保つことができます。
しかし、30~40年と長期保有をした場合には、どんどん値下がりが激しくなるのも事実です。その点、土地に関しては、周囲環境などの影響はあるものの、基本的には値崩れをほとんど起こしません。
この点に関して言えば、一軒家のほうが資産価値は保たれやすいと言えます。これも、一長一短あり、買い手の心理によりどちらを選ぶかは変わりそうですね。

不動産業界の今後について
・人口減少に伴う弊害
不動産業界を語るうえで、買い手のなる人口の減少は他人事ではありません。業績に直接関わる部分です。
現在日本は、少子高齢化の煽りを受け、人口が毎年減少しています。総務省の推計では、2030年には1億1662万人、2060年には8674万人にまで減少するとされています。
同時に、生産年齢人口も減少の一途を辿るとされており、若くて家庭を持った人たちが減ることになります。
不動産の買い手として最も割合を多く占める層は20~30歳代の家庭持ち世代です。こういった背景を踏まえると、買い手は現在の2020年代と比較し、かなり少なくなることが予想されます。
不動産会社に勤務する側の方々からすると、戦々恐々の思いだと予想できます。さらに、IoTやAI、仮想空間システムなどの発達により、内覧が現地でなくても可能となったり、インターネット上でほとんどの手続きが実行できたりと、人でなくても行える仕事の領域が、今後は徐々に増加していくものと思われます。
どんどん人件費の削減が進み、雇用人数にも影響が出てくるものと思われます。
・買い手や借り手が減少
そして今後、もうひとつ懸念されている事項があります。それは、「空き家問題」です。高齢者層が多く存在する日本では、独居老人が同時に問題視されています。
特に地方で多いのですが、孤独死の割合が年々増加しており、親戚などの引き取り手もなく、空き家が増え続けているというのです。
前項で人口減少問題について書きましたが、同時に空き家が沢山日本に増え続けると、いったいどうなるでしょうか?
売り手が多く、買い手が少ない状況ができてしまい、物件の価格は必然的に下落することが容易に予想できます。
これは、不動産業界にとっては由々しき問題となり得ます。今後の日本においては、この人口減少問題、空き家問題、これら諸々の山積した課題に対して、どういった対策を行えば良いのか、これを考えていく必要があると思われます。

まとめ
日本においては、現在超低金利施策の真っ只中であり、家を建てる人が多く、不動産価格は上がっているところであります。
しかし、賃貸物件にも自然災害回避のリスクや、容易に引っ越せるなどのメリットも存在することは事実です。
不動産の価値も、一軒家ではマンションより下落しやすいのは事実ですが、土地があることのメリットも念頭に置く必要があります。
今後の日本においては、人口減少や空き家問題など、課題が山積しており不動産業界としては売上を右肩上がりに上げていくことは非常に難しいと感じます。
時代の流れの中で、妙案が生み出され、新たな価値が発見される可能性もあるため、落胆する必要はないのかもしれません。