いまの日本には多くの課題が山積みとなっていますが、その中でも重要なものの一つに地方創生があります。
様々なメディアでよく使われた言葉なので、記憶に残っている人は多いかもしれません。
ですが、そんな地方創生について実際にどのくらい理解しているでしょうか。
今回は、これからの日本にとって欠かすことのできない地方創生の現状と課題について解説していきます!
1.地方創生ってどう言うこと?
地方創生という言葉を聞いたら、ぼんやりと地方を活性化させる取り組みだと感じる人も多いかと思います。
その考えは、ざっくりと言えば間違っていません。
地方創生は日本にとって非常に重要な取り組みですので、ぜひこの機会に正しく意味を理解してみるのも良いのではないでしょうか。
・地方創生のはじまりは?
地方創生という言葉が登場したのは意外に新しく、2014年の第2次安倍内閣発足時に目玉政策の一つとして発表されたのが始まりです。
その政策の中には地方の若い世代の雇用者数、地方から都市部への流出人数、出生率など現代日本のかかえる多くの課題に対する目標値が具体的に数値化され、その達成に向かって国と自治体が一丸となって地域づくりを進めていくこととなりました。
安倍内閣の退陣により本来の意味である政策としての地方創生は一区切りしましたが、現在ではその政策から転じて地方を活性化させる取り組みを表す言葉として利用されることも多くなっています。
・地方創生が必要とされる理由
私たちが暮らす日本は2008年をピークに人口減少の一途を辿っていて、2050年には一億人を割り込む見込みになっています。
また総人口の減少に加えて、地方から都市部への人口流出も重なり、多くの市町村がいま消滅の危機にさらされています。
その数は2040年までに900もの自治体にもおよぶと予想されるほどです。
地方自治体の消滅は、そのまま日本全体の活力低下にもつながります。
そんな状態に歯止めをかけるために、人口の一極集中の状態を是正し、日本全国に人を分散させることで地方に活力を与えることが必要とされているんです。
2.地方創生の現状と課題
第2次安倍内閣は地方創生の発表とともに、多くの施策を打ち出してきました。
それらの効果と現状、そしてこれから目指す姿はどうなっているのでしょうか?
・地方創生のための施策と効果
国は地方の産業活性化を主導するため、その役割上、都心に無くてはならない施設を除いて政府関係機関の地方移転を推進しています。
それに応えるように、例を挙げるとパソナグループは本社機能を淡路島へ移転し人財誘致を行うなど、多くの企業が独自のやり方で地方創生への貢献をはたしています。
その他に、新型の交付金創設によって、地域の中小企業への支援や地方移住の斡旋、出産や子育てにかかる費用の補助など多数の項目に対して地方創生の助けになる施策を打ち出しました。
日本各地の自治体では、この交付金を利用して特性を活かした様々な取り組みが行われており、多くの成功例があります。
例えば徳島県神山町では、企業のサテライトオフィス誘致に着目し環境整備に力を入れたことで、かつて消滅可能性地域の一つだったこの町が、今ではサテライトオフィスの聖地と呼ばれるようになっています。
このように効果が見られた自治体もありますが、残念ながら多くの自治体においては問題は残されたままであり、今なお地方創生への取り組みは重要な課題として残っているのが現状です。
・これからの目指す姿は?
成功した自治体がある反面で、思うようにいっていない自治体もあるのはどのような理由があるのでしょうか。
先に紹介した徳島県神山町は、何の変哲もない田舎町ながらも、緑に囲まれた環境で仕事ができると言う自身の特徴を全面に押し出すことで都会との差別化をはかりました。
田舎で何もない町という弱みを、強みに変えることに成功したとも言えますね。
それに対して、上手くいかなかった自治体は他所の成功事例を参考にした横並び意識での活動を行い、それが思ったような成果に繋がっていないケースが多く見受けられます。
地方創生の取り組みの効果を高めるためには、地域によって異なる文化や特徴を理解し、その地域ならではの魅力を発信していくことが成功への鍵であり、目指す姿となるはずです。
そしてこれから先、さらに地方創生を加速させていくためにはSDGsやDX(デジタルトランスフォーメーション)、Withコロナと言った新しい価値観に沿った取り組みにも力を入れていくことも怠ってはいけません。
3.まとめ
日本の抱える課題のひとつである地方創生について紹介しました。
2014年の第2次安倍内閣から始まったこの取り組みは、地方の衰退を防ぐために多くの自治体で様々な活動が行われています。
まだまだ結果の出ていない自治体も多いですが、地方が活性化することは、最終的には日本全体の活性化にもつながっていくとても大切なことです。
今後はますます地方の特色を活かした取り組みも盛んになっていくはずですので、今回の記事を読んで地方創生に興味を持たれたなら、ぜひ各地の取り組みを調べてみるのも良いかもしれませんね。