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ビルメンテナンス業界でバッテリー規格戦争が起こっている理由とは?

ビルメンテナンス業界でバッテリー規格戦争が起こっている理由とは?

近年、ビルメンテナンス業界においてコードレスタイプの清掃マシンが急速に普及し始めました。

それに伴い、清掃資機材メーカーがバッテリーの規格を統一化させる動きが発生。さらに、独自バッテリーの開発や価格競争も併発しています。

本記事では、この一連の流れを『バッテリー規格戦争』と称して、ビルメンテナンス業界に与えるメリットや、各社バッテリー規格の特徴を掘り下げていきます。

新しいコードレスタイプの清掃マシンを検討している方など、ぜひ最後までご覧ください。

 

清掃マシンに「コードレス化」が求められる理由

コードレス化が求められるのには、様々な理由があります。

例えば、作業中にコードが邪魔でトラブルになるというもの。

引っ掛けて什器を倒してしまったり、コードの取り回しに手間取ったりと作業速度の低下を招きかねません。

また、業務用資機材の高い電力を現場のコンセントから得ようとすると、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

ブレーカーが落ちればとすべての業務が一時停止するため避けたい問題です。

病院など特定の施設では命に係わる大きな問題に発展するため、コードレス化が求められているのです。

 

ビルメンテナンス業界で発生しているバッテリー規格戦争

ビルメンテナンス用の資機材を取り扱うメーカーから、1つのバッテリーを様々なマシンで使うことのできる、バッテリー規格が統一化されたシリーズ商品が次々と発売されています。

 

なぜバッテリー規格が統一化されるのか。

それぞれのメリットをユーザーとメーカー側の目線に立って掘り下げてみましょう。

 

〇ユーザー側のメリット

清掃作業中、現在使用しているバッテリーの電源が切れてしまったら……。

統一規格のバッテリーをしている場合、他の資機材のバッテリーを取り外して装着し、作業を続けられるなど不測の事態に対応できます。

 

また、掃除機はA社のバッテリーと充電器で、ポリッシャーはB社のバッテリーで……、となると社内での管理が煩雑になります。

資機材は個人ではなく、会社で管理するため皆あまり詳しくありません。

「持ってきたバッテリーがそのマシンには使えない」といった事態も頻繁に発生します。

 

したがって、バッテリー規格が統一されていると、混乱が少ない、整理や管理がはかどるといったユーザーメリットが考えられます。

 

さらに、充電・セットの方法が同じということで、スタッフ教育にかかる手間が少なくなるメリットもあります。

膨大な人数のパートスタッフが作業を行う中で、一人当たりの教育工数を減らせることは大幅な生産性の向上に繋がるでしょう。

 

〇メーカー側のメリット

資機材購入の際、それぞれの清掃マシンの機能の優劣で判断するのが一般的です。

しかし、すでにバッテリーを持っている場合はそれを無駄なく使用するため、最初に購入したバッテリーの規格に合うものが優先されるようになり、同じシリーズが売れるようになります。

 

また、バッテリーは消耗品なので買い替え需要、さらに保有するバッテリーの数が多くなれば充電器などの関連商品も必要になって売上も増えていきます。

加えて、コードレス製品の使い勝手がよければ「コード式の資機材も試してみよう」「すべての資機材を1社のものに統一しよう」といった動きも出てくるでしょう。

 

これらのメリットを要因として、各社バッテリー規格を統一したシリーズを次々発売してシェアを奪い合う、まさにバッテリー規格の戦争が勃発している状態となっているのです。

 

清掃マシンに使用される主なバッテリーの種類を比較

清掃マシン本体の性能はもちろんですが、使用するバッテリーによっても作業時の快適度は異なります。

ここでは、清掃マシンに多く使用されるバッテリーである「鉛バッテリー」と「リチウムイオンバッテリー」を、メリット・デメリットを比較しながら解説していきます。

 

〇鉛バッテリー

鉛バッテリーとは名前の通り鉛でできたバッテリーのことを指します。

主なメリットとしては比較的安価なことと、使用後にリサイクルが可能なため環境にも優しいことが挙げられます。

 

デメリットとしては、過放電状態が続くと劣化が早くなり性能も低下してしまう点が挙げられます。

また、定期的にバッテリー液の補充が必要なのですが、この液体は腐食性が強く、金属を酸化させたり皮膚炎を起こしたりするなど非常に危険です。

注意をして補充を行わなければなりません。

 

鉛バッテリーは、自動車の他、ゴルフカート、電動フォークリフトなどで使用されるほか、ビルメン業界では自動床洗浄機などで使用されています。

 

〇リチウムイオンバッテリー

ノートパソコンやスマートフォンなどに使われているのがリチウムイオンバッテリーです。

メリットとしては、ノーメンテナンス、コンパクトなうえ、充電速度が鉛バッテリーより約30%早いため、作業効率の向上が見込めます。

また、充電可能回数が約700~2,000回と非常に長い寿命を持っています(種類によっては充電回数が3500回以上のものも)。

 

これらの特徴を有していることから、近年のコードレスタイプの清掃マシンのバッテリー規格にはリチウムイオンバッテリーが採用されることが多くなりました。

一方、デメリットとしては価格が高い点。また、充電が満タンの状態で放置するとどんどん劣化していくため定期的に使用しなければなりません。

 

【比較】各社のバッテリー規格

バッテリー規格戦争が起こる中で、自社規格の業界標準化を目指して、独自の強みを活かし、他社との差別化を図るべく研究開発が進められています。

ここでは3社のバッテリー規格の特徴を紹介します。

 

〇P社

P社のバッテリーは、放電中に一時的に電圧が低下する「メモリー効果」現象が全製品を通して発生することがなく、継ぎ足し充電が可能です。

また、バッテリー容量も5Ahから14Ahまでを幅広く抑えており、小型から大型まで様々な種類を抑えています。加えて、ニューケースデザインにより持ち運びがしやすくなっています。

 

バキューム掃除機、ポリッシャー、送風機など様々な清掃マシンで使用できる一方で、1種類のバッテリーをすべてに使用できるわけではありません。

 

あるバッテリーではドライバキュームにのみ使用可能、あるバッテリーではドライバキュームとウェットバキュームに使用可能だがポリッシャーや送風機には使用不可能といったように、バッテリーごとに対象となるマシンが異なります。

 

そのため、複数のバッテリーを揃えておかなければならない手間が発生します。

 

〇K社

バッテリーの状態を確認できる「リアルタイムテクノロジー」の搭載により、バッテリー残量や充電可能時間が可視化されるため安心して作業に挑めます。

 

長期保管時には「オート保管モード」によって充電を満タンのままではなく、70%に維持することにより急激なバッテリーの劣化を防ぎ寿命を延ばすことができます。

また、「防水機能」を備えており、通常のバッテリーでは安心して行えない屋外での水を使用した洗浄作業も楽にこなせます。

 

K社のバッテリーには18Vと36Vのものがあり、36Vのバッテリーは稼働時間の差で6.0Ahと7.0Ahに分かれます。18Vバッテリーで稼働させられるのは、ハンディバキュームクリーナーと小型の床洗浄機のみ。

 

それ以外の高圧洗浄機、乾湿両用クリーナー、ドライクリーナー、背負い式のドライクリーナ―、床洗浄機は36Vバッテリーが対応します。

作業環境や状況や対応機器によってバッテリーを使い分ける必要があります。

 

〇M社

質量が軽いリチウムイオンバッテリーのセルを効率よくつなげ、本数を減らす事で、小型・軽量・大容量の三拍子をそろえることができています。

また、メモリー効果が無いため継ぎ足し充電が可能です。さらに、自己放電が少なく、満充電状態で長期保存をすることによりフルスペックに近い運用が可能です。

 

豊富な種類の集塵機、ロボットクリーナーをラインナップしていますが、用途ごとに適するバッテリーが異なります。

そのため複数のバッテリーの管理が手間にはなりますが、清掃機器以外の様々工具類にも使用できるため汎用性に優れます。

 

 

フーバー社のバッテリー規格「ONEPWR™」の特徴

フーバーは長い歴史を誇る世界的な掃除機メーカーです。

フーバー製のバッテリーシリーズ「ONEPWR™」はリチウムイオンバッテリーで駆動しており、その強みを大きく発揮しています。

ここでは他社にはないフーバー製バッテリーの独自の特徴を紹介します。

 

〇1つのバッテリーですべてのONEPWR™製品を駆動可能

「ONEPWR™」シリーズには優れた互換性があり、一つのバッテリーを充電することで4つのクリーナーに共有して使用することができます。

リチウムイオンバッテリーの充電時間が短いこととも抜群の相性です。

 

使用できるのは以下の4つです。

・『フロアメイト・ジェット』……床洗浄機
・『エボルブ2イン1』……アップライト型ドライバキューム+ハンディクリーナー
・『スポットレスゴー』……リンサー
・『ウェット&ドライバキューム』……乾湿両用コンパクトコードレスクリーナー

いずれもビル清掃業務に欠かせないマシンであり、それらを一つのバッテリーで駆動させられるのは大きなメリットといえるでしょう。

 

〇バッテリーの追加でさらにパワーアップ

「ONEPWR™」には専用バッテリーが存在し、用途に応じて適宜付け替えることで使用の幅が広がります。

 

また高い互換性を活かし、予備のバッテリーを購入しておけば充電時間をなくすことができ、付け替えをすることにより実質的な駆動時間は無限となります。

これによりバッテリーの残量を確認することなく作業に取り組むことが可能です。

 

「ONEPWR™」を導入して効率的なビルメンテナンスを

バッテリー規格戦争が続いていく中、その過程で高性能な製品が生み出されるなど、ユーザー側にとっても企業側にとっても得られる恩恵は多くあります。

より良い道具を使うことにより、仕事の質は向上していきます。

料理人であれば調理器具が、漫画家であれば画材道具の質が良ければ、それだけ本人のパフォーマンスも向上します。

 

それはビルメンテンス業においても同様です。

清掃マシンの性能が高ければ、作業負担が軽減され、作業者の仕事に対するモチベーションの向上につながります。

 

バッテリー規格は各社それぞれの強みがありますが、中でもフーバーの「ONEPWR™」は長時間運用が可能なことにより効率的なビル清掃に貢献します。

ぜひ導入を検討してみてください。

 

問い合わせ先

株式会社くうかん
TEL:03-5980-7027
メールでのお問い合わせは こちら

Hoover Japan ホームページ

Builpo イプロス特設サイト(くうかん)
カタログのダウンロードは こちら

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