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迫り来る9669条項「アナログ規制」によるビルメン業界の対応は!?

ビルポ事務局

2022年12月21日に政府よりアナログ規制を規定する法令や政令約1万条項の見直しに向けた工程表をとりまとめ、デジタル化社会に対応した見直し案を提出してアナログ規制の見直しを進める方針を発表しました。

今後2年以内において既存の企業においてはデジタル化を求められることになり、ビルメンテナンス業界でもご多分にもれず対応を迫られることになりました。

ビルメンテナンス業界ではデジタル化についてどのようなことに取り組んでいかなければならないかを検証してみます。

アナログ規制など約1万条項見直しとは

2022年12月24日読売新聞の記事によると、政府はデジタル化に取り組む地方自治体を現行以上の1500まで増やす目標を掲げ、「デジタル田園都市国家構想」として5か年総合戦略を閣議決定し、「地方のデジタル実装を加速化し、全国どこでも便利で快適に暮らせる社会を実現する」との意欲に向けて発表しました。

この様に政府方針として全社会的にアナログ規制を見直し、デジタル化を推進していくという社会現象に進んでいくものと思われます。

〇今回の発表前に行われた第6回デジタル臨時行政調査会(岸田文雄首相:会長)において、アナログ規制などに関する法令約1万条項すべての見直しの方針と、見直しに向けた工程表を決定しました。

目視、定期検査・点検、実地監査、常駐・専任、書面掲示、対面講習、往訪閲覧、縦覧などのアナログ規制に加えて、フロッピーディスク(FD)などの記録媒体を指定する規制など9669条項すべての見直しを2024年6月までに実施し、法改正が必要な条項は2023年の次期通常国会において一括見直すという法案を提出するとされています。

調査会会長である岸田首相は、「今後この工程表に沿って、2024年6月までにアナログ規制を一掃し、デジタルに対応した制度の拡充・確率に向け、デジタル法制局の体制強化を進める」と強調し、今後「ベースレジストリの整備、行政手続きのデジタル完結などの改革を加速していく」と述べました。

アナログ規制の見直しなどは、慢性的な人手不足の緩和や働き方改革、利用者への利便性向上などのメリットが期待できるとされています。

代表的な7項目のアナログ規制と見直し例

1,目視規制

施設や設備などの状況を人が赴いて法令等が要求する一定の基準に適合しているかどうかを目視によって判定の「検査・点検」や、実態及び動向を目視によってチェックし明確にする「調査」、施設や設備の状態を人や機関が行うことについて、遵守しなければならない義務に違反等がないか一定の期間常に注目すること「巡視・見張り」等を求めています。

【見直し例】

人による確認が求められていましたが、見直しにより遠隔技術の導入やAIの活用ができるようになり、人員の削減や時間の短縮も図れて安全性も向上が可能。

2,規制

施設や設備などの状況等において、法令等が求めている一定の基準に適合されているかを、人が現場に赴いて建物及び書類等を確認することによって判定する「実地監査規制」ことを求めています。

【見直し例】

災害等の被害状況調査などについて、AI技術の活用により被害認定調査の迅速化を目指す。

3,定期検査・点検規制

施設や設備、状況等を法令等が定め求めている一定の基準に適合しているかを、一定の期間、一定の頻度で判定する「第三者検査・自主検査」、同じく一定の期間、頻度で実態・同行・量等を明確化する「調査・測定」を規制として求めています。

【見直し例】

人の手によって一定期間ごとに点検が一律に求められていましたが、常時、遠隔での監視ができるようになり、安全性と生産性が向上。ビルメンテナンス業務の建築物の衛生的環境の確保に関する法律に基づく定期測定・点検について、IoTを活用した自動測定技術などデジタル技術の活用方法や留意点を検討し、測定や点検作業の効率化や公衆衛生の向上を目指す。

4,常駐・選任規制

人が特定の場所及び特定の時間に常時事業所や現場等に留まることや、現場への所属及び職務の従事に当たって他と兼任せず、専らその任に当たることを求めている規制。

【見直し例】

作業主任者の職務を技術などによって代替できる場合には、その技術によって作業主任者の職務である常駐規制を代替することも可能とする方向性で見直しを検討。

5,対面講習規制

国家資格等の取得に当たり、講習をオンラインではなく対面によって行うことを求めている規制。

【見直し例】

遠方の居住者であっても講習会場へ赴くことが求められていたが、見直しでは、どこにおいても受講でき、講習の申込、手数料等の納入、受講及び受講証明書発行までをデジタルによる完結。

6,書面掲示規制

国家資格等及び公的な証明書等を対面確認や紙の発行で、特定の場所に掲示することを求めている規制。

【見直し例】

理由の如何に関わらず開庁時間内に官公署等への来訪が求められていたが、見直しにより、いつ何処においても必要な情報の確認ができるような利便性を検討。

7,往訪閲覧・縦覧規制

申請に応じて、あるいは申請によらず公的な情報を閲覧や縦覧させるもののうち、公的機関等への訪問が必要とされる規制。

【見直し例】

情報掲示に加え、インターネット上への情報の開示掲載も実施。いつどこにおいても必要な情報を確認できることにより利便性が向上。

■デジタル化とは何?

デジタル化とは業務を行うにあたり、業務の効率化や合理化を図る目的として、紙ベースの低減化、RPA(Robotic Process Automation)の導入による既存の業務の自動化、書類作成や署名などのクラウド化などにより、いわゆるアナログの状態からデジタル技術を活用することに切り替え業務の効率化を図ることをいいます。

■デジタル化によるビルメンテナンス業界に及ぼす影響

ビルメンテナンス業界においては一部の大企業を除いて大部分が中小の企業が多くを占めていて、比較的業務改善に対する意識が薄く、旧態依然としたアナログ的手法を継続していて業務をおこなっているのが現状となっています。

今後政府方針によって2024年までにアナログ規制を一掃して、デジタル化を推進し制度の拡充を進めるとしています。ビルメン業界においてもこれを良い転機と考え、積極的にデジタル化に取り組み業務の効率化を図り、生産性も高めていくことが望めます。

デジタル化によって業務形態をどのように変革させていくかによって、慢性的であった人手不足の解消にも繋がっていくものと考えます。

ビルメンテナンス業界の現状

ビルメンテナンス業務は、衛生管理業務、設備管理業務、警備保全業務の他修繕業務などが主体となっています。これらの業務は多くの場合人の手によって行われています。

上記の業務では、入札書類、契約書、業務仕様、施設の図面、業務完了報告書、点検報告書等々、紙による書類が多く用いられてきました。

このような業務に関する商習慣がビルメンテナンス業界には根強く残っているのが現状です。

デジタル化への取り組みはどうすればよいか

既記事にビルメンテナンス業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性について記述致しました。

DXとはデジタル技術の一歩進んだ状態をいいます。デジタル化は、従来行ってきたアナログ的手法をデジタル技術に置き換えて業務のプロセスの効率化を目指すことです。

例えば、書類や業務データなどを紙にしていたものをPCやクラウドなどのアプリにデータの保存をする。連絡手段については電話からメールチャットにする。この様なデジタル化は業務負担の軽減や業務の効率化によって生産性の向上を目指すことです。

デジタルテクノロジーの活用によってDXへの進化に繋げビルメンテナンス業務の進捗を進めることとなります。

デジタル化への進め方

・デジタイゼーション

単にデジタル化と訳します。

前述した今まで紙ベースで管理していた勤怠管理や顧客リストなどをデジタルツールへ入力するなどデータベース化し、業務プロセスの効率化や生産性アップを目指す初期的なものです。

(例)紙で管理していた情報等をPCで保管。アナログ情報をデジタルデータにする。

・デジタライゼーション

デジタル技術の活用化することで、自社のビジネススタイルへの変革を意味します。

(例)IoTやAIの活用によって自社の業務や組織運営をデジタル化する。

・DX

デジタイゼーションやデジタライゼーションの実現化によって、得られたデータを見える化し、経営や業務マーケティングへと活用して、新しい価値を導き出す段階です。

ビルメンテナンス業務のデジタルテクノロジー

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ビルマネジメント業務の多くは人の手によるものと前述しましたが、高齢化などによる人手不足が顕著となっています。その対策として注目されているのが、IT、IoT、AIを活用して業務の省力化や効率化を図る方法です。

・事務処理の軽減対策として、各種申請、承認、請求書作成、決済業務のデジタル化のために電子承認・決済システムの導入を検討する。

・PC及びスマートフォンを活用して連絡や会議のチャットワーク化を検討。

・リモートワークを推進して業務効率化を図ることによって、コストの削減や業務の効率化、優秀な人材確保にも繋がる。

・清掃業務には注目され始めている“清掃ロボット”を導入することによって、人手不足の解消に繋がり、人件費の削減、シフト管理の軽減に繋がります。

・設備管理においてもデジタルテクノロジーの活用手段があります。点検業務ではモバイル端末の活用によって現場において完結できます。

・設備点検にはAIを使って遠隔監視やセンサーによる機器管理など活用範囲が広がります。また、データの集約、点検報告書まで作成できるアプリツールも活用されています。不具合の予兆察知、修繕の履歴や見積り、設備基本台帳などデータ化して管理するシステムも大いに活用したいものです。

まとめ

政府が発表したデジタル化社会に向けて、アナログ規制を見直す対応を図るというデジタル化を強力に推進しようという方針を打ち立てました。

ビルメンテナンス業界では旧態依然としたアナログ体制による業務形態で推移してきましたが、今後において業務効率化の必要性は感じられているものの、費用の面も含めて実際にはまだまだデジタル化システムを導入するビルメン企業は多くないのが現状となっています。

社会がデジタル化に方向転換を進めるなか、ビルマネジメントは大きな転換期を迎えていると感じます。デジタルテクノロジーの活用への取り組みは、業務の効率化や建物利用者にも快適性を保証するとともに、プロセスによって集約したデータの活用によってマーケティングに生かされ、ビルマネジメントは新たな進化へと繋がることでしょう。


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