「スピアー サイクロン プロ」はシャープ株式会社と弊社が共同開発したスティック型のバキュームクリーナーです。

弊社には近年スティック型のバキュームクリーナーがラインアップがありませんでした。

一方、家庭用でメジャーなシャープ社ですが、プラズマクラスター等をデバイス単位で供給することはあっても業務用の製品というのはほとんどありません。
そこで、製造はシャープ社、弊社がオーダーを出すという形で２年ほど前にプロジェクトがスタートしました。

完成までに相当の時間と労力がかかりましたが、見えない細部にまで弊社のこだわりが詰め込まれた商品となっています。

蔵王産業がこだわった点とは？

ベースこそ家庭用の既存モデルですが、業務用としての使用に耐えうる高い性能と高い耐久性が付与され、まったくの別物に仕上がっています。

代表的な部分としては、まずストレートパイプを軽量、高耐久のドライカーボンを３重巻きにすることで業務用としての強度アップを図っています（家庭用は２重巻き）。
紙パック購入不要のサイクロン式ですが、家庭用と業務用ではゴミの量が異なるため、専用設計したクラス最高0.5リットルの大型ダストカップになっています。

ダストカップの色にもこだわっており、透明ではなく少しスモークをかけています。

これによりぱっと見は、汚れが人目につきづらく、一方で作業をされる方にとって量が確認できないと困るのでコントラストについて議論を重ねました。

ヘッド（吸込口）はハードな使用に耐えられる薄型のものを新規開発。非常に薄く作っているので狭い場所に入りやすいほか、全体の軽量化にもつながっています。

このヘッドは手元のレバー操作だけでかがまずに取り外しができ「スグトルブラシ」に切り替えが可能。

「スグトルブラシ」は隙間やコーナー、高所の清掃作業で活躍します。引き抜いた後のヘッドは自立するので、パタリと倒れたりすることがありません。

これにより立ったままヘッドを再装着できるというのもこだわった点になります。

　バキュームモーターには高耐久かつ高効率で高出力が出せるカーボンブラシレスモーターを採用。

カーペットはもちろん店内のセラミック床やフロアマット、自動ドアの溝など、現場で要求されるさまざまシーンに対応する回収能力を有しています。

また、性能をアップさせるにあたり、家庭用のバッテリーをそのまま併用すると稼働時間が短くなるため、大型バッテリーを採用することでスタミナを強化しています。

充電時間は100分、運転モードは４段階あり、それぞれの稼働時間は下図の通りです。

比重の重い土砂が溝などにたまっている場合、瞬間的に高い吸引力が出せるフルパワーモードが便利ですが、通常の現場作業であればノーマルモードとパワーモードの切り替えだけで十分対応できます。

ヒューマンファクターの採用で体感重量を軽減

軽量とはいえ、スティック型のバキュームクリーナーを片手で長時間使うのは疲れます。

「スピアー サイクロン プロ」ではシャープ社が培ってきたノウハウであるヒューマンファクター（人間工学）デザインを採用しています。

ヒューマンファクターとは人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように設計し、それを実際のデザインに活かしていくというもの。

清掃の実務作業者の体格や性別をターゲットに、各部の軽量化、ハンドルの形状や角度、バッテリーの装着位置など重心のバランスを工夫することで手首や腕の負担を軽減。

バッテリーを含んだ本機の総重量は1.6kgですが、作業中の体感重量は実際の重さよりもずっと軽く、疲れにくくなっています。

コードレスなので引っ掛け事故の心配もなく移動もスムーズ。楽な姿勢で作業が行え、狭いスペースでも扱いやすいのが特徴です。

扱いやすさでいうとゴミ捨てや手入れも簡単。ダストカップやフィルターは丸ごと水洗いできるので衛生的です。

業務用清掃機器もインテリア化の時代へ

これからの時代、清掃の現場でも衛生環境を見直す必要があるかと思います。そこで
ハンドルには抗菌樹脂を採用、常に清潔にお使いただけるものになっています。

また、弊社のラインナップはビルメンテナンス業に特化しており、まさに業務用といったデザインばかりでしたが「スピアー サイクロン プロ」では従来の業務用然としたものからインテリア化の流れつくることがテーマの一つとなっています。

光沢をもたせた落ち着いた色味のカラーリングは店舗等に置いても違和感がなく、従業員の方が気づいたときにさっと作業して、専用のスタンドに差し直すといった使い方も想定しています。

ビルメンテナンスの市場向けて作り込んできたものですが、同時に新しい市場、新しいお客様を獲得していけるツールでもあると考えています。