「おそうじやにはならない」と思っていた―今は「恩返しがしたい」

本日のビルジョは女性経営者である「株式会社アイビ 代表取締役 伊藤惠美さん」です😊👏🏻株式会社アイビは、東大阪市でビルメンテナンスやハウスクリーニングなど「おそうじ専門」の会社として設立から約30年続く会社です。お父様がひとりで立ち上げたその会社を8年前に受け継いだ伊藤さん。「まだまだ日々もがいています」と清掃業のリアルな今を語っていただきました✨

ビルジョ
こんにちは😊本日はよろしくお願いいたします🤝
伊藤さん
よろしくお願いします🎵まだまだ試行錯誤しながらの日々なので、お役に立てる話ができるか…😥
ビルジョ
いえいえ🙌🏻ビルジョを見て下さる方のなかには、伊藤さんと同じような悩みや課題を抱えている方もいるかもしれません。試行錯誤の部分もぜひお話を聞かせてください😉
伊藤さん
はい。それでもよければなんでも☺

おそうじやに「夢はあるのかな」

伊藤さんは、大学を卒業して一般企業に就職されました。その後、3年ほどで退職ししばらく家業の事務仕事をお手伝いされていたそうです。お父様は伊藤さんに継いでほしいと考えていたようでしたが、伊藤さんは、正直、全くその気は無かったそうです😅お父様がご病気になり、そんなこともいっていられなくなり、ご結婚を機にご主人にも会社に入ってもらうことになりました。ところが、考え方の違いなどからお父様との関係がぎくしゃくし始めました。その結果、ご主人は別の会社に勤めることになり、伊藤さんも「もう、おそうじやはいいかな」と思うようになったといいます😕出産も重なったこともあり、お父様からも仕事からも微妙な距離を置いて過ごされていました。そんな時、突然お父様がご病気のため旅立たれてしまいます。いろいろ考え悩まれたそうですが、とりあえず「やる」と決めて、伊藤さんはおそうじやの経営者としてのスタートをきりました✊🏻💨

伊藤さん
出産後2ヶ月で、父が亡くなり、赤ちゃんを抱えてのスタートでした。現場には、出ないで社員に任せるけど、大切なことに口はだしていくみたいな感じでした😂
ビルジョ
出産と会社経営、一緒にはじめるには大変な思いがあったかと。。。💦
伊藤さん
当時、主人は別の会社で働いていたので私が一人で切り盛りしながら、0歳から保育園に預けて乗り切っていました。二人目を出産してからは、さすがにうまくいかなくなって…主人にも、また働いていた会社を辞めて、しばらく主夫をしてもらって乗り越えてきました🤝

経営をするようになり、一番の課題と感じたのが「人材育成」。自分が考えるように他人は動かない、自分の想いが伝わらない。でも自分は現場に出られないので、どうやって現場の人を育てていけばいいのかとても悩まれたそうです🤦🏻‍♀️💦アットホームな会社にしていきたいと思い、若い子を褒めて伸ばそうと意見をしても、「調子に乗るからだめだ」と否定的な意見が出たりするなどなかなか足並みが揃いません。その時、社員みんなの話を聞いていると「おそうじやでは夢を持てていないのかな」と感じたそうです🤔

今までの会社の良いところは残しつつ、成長していきたいと考えていても、経験者を中途採用すると、その人のやり方で仕事をし始めて、社風が変わってしまう。良い変化は大歓迎ですが、どんどん違う方向に…。個性のある人たちをまとめるのが難しかったそうです💭

ビルジョ
会社の方針というか一定の基準やモデルは必要ですよね。社員のみなさんがこれだと思える基準ができて、働きやすい環境になり、やりがいが生まれるのが理想ですね☝🏻💡
伊藤さん
そうなんです。今いる社員にもいきいきと働いてもらい、若い世代にもこの仕事って夢があるよと伝えていきたいんです✨人間だからこそできる心を込めたおそうじ、何よりおそうじって生きていく上で大切なこと、それを仕事にできるって幸せなことじゃないですか✨そういったことを社員に一から伝えていきたいと思っています😊

笑顔で働ける職場を

以前、働きやすい会社にしていこうと社員一人ひとりの意見を取り入れすぎて、秩序が乱れたこともありました😥例えば、制服を決める時に、動きやすさだけを重視してかなりカジュアルになってしまいました。社員には良いことだったかもしれませんが、お客様目線を考えたらどうなんだろう?信頼や信用を与えられるのだろうか?その時に気付いたそうです💡みんなの話をただ受け入れていくのではなく、「理念」の共有をして、旗を振ることが必要なんだと。その後、きちんとした就業規則をもう一度作り直したそうです💁🏻‍♀️そこには、決まりやルールだけでなく、みんなの士気があがり頑張れるようなことも盛り込みました。ただ売り上げにはしるのではなく、「そこにお客様がいるから仕事がある」という意識をみんなにも改めて持ってほしかったそうです💭その中で、同じ目標にむかって働きやすい環境で仕事ができるようになるのが今目指している株式会社アイビのカタチです✨

伊藤さん
社内研修もしていたのですが、乗り気ではないベテラン社員や中堅社員がいて心が折れそうになりました😅なかなか伝わらない部分もありもどかしい時もあります。でも、笑顔で働ける職場をつくりたいんです❗そのためにも、想いは伝え続けないといけないと思っています😤💖
ビルジョ
技術もそうですが、理念を浸透させるのも難しいですね🤔
伊藤さん
もっと熱い想いを持って突き抜けてやっていかないとですね✊🏻‼

清掃の仕事に入ろうと思う方は、未経験でできる仕事だからと思って入ってくる方も多くいます。

伊藤さん 資格や技術経験なし、未経験からでもOKだから入ってきたという方が多いかなという印象です💭求人をかけて応募されてきた方も、まぁ清掃ならできるか、みたいな方は多いですね。主婦層の人たちが働く業界としてはあまり認知されていませんよね。20~30代女性が飛び込んでくる業界としてはまだまだ人気がないような気がします😂

ビルジョ たしかに、世間の持つイメージはまだまだそのような感じですね😅

伊藤さん 未経験・若年層・主婦層の方々もこの業界に入ってみたら、楽しい、やりがいがあるといった気持ちをもってもらえるようになったらいいですよね🎵現在、アイビでは子育てが一段落した40代後半~50代前半の女性が2名活躍しているんですよ❗

ビルジョ アイビさんもビルジョが増えているんですね👍🏻

伊藤さん自身も、学生の頃は「絶対におそうじやなんてなりたくない」と思っていたそうです😮💭お父様が一人で立ち上げた会社でしたが、お父様自身も社会的地位の低い仕事だと言い続けていたそうです。そんな伊藤さんでしたが、社会人になってから「それでも大学まで行かせてもらえたのは父の会社があったから」と考えるようになったそうです😊

何か恩返しができないかな…💭

今、伊藤さんがもがきながらも頑張っている理由は、会社が良くなることももちろんですが、この仕事が社会的にもっと認められる仕事にしていきたい、それがお父様への恩返しになるという想いがあるからだとお話くださいました☺

不測の事態が起こったこの一年 そしてこれから先…

実は、この取材をさせていただいたのは2019年秋🍂あれから1年が経ち、伊藤さんに現在の状況を聞いてみました💁🏻‍♀️

ビルジョ お久しぶりです🎵あっという間に1年が経ってしまいましたが、会社内で変化などありましたか?

伊藤さん 実は、この1年でかなり変化がありました。より良い会社にしていきたいと組織作りに意気込んで、やる気のある30代社員を育てようと必死でしたが、それを良く思わない社員から反発が起こり、やる気のあった社員が辞めてしまったんです、、、💦かなりつらい状況になり、いよいよ主人にまた会社に入って現場に出てもらおうと考えていた矢先、休日子供と遊んでいてアキレス腱断絶してしまいまして、、、この時はさすがに落ち込みました😞治るのに8ヶ月ほどかかりましたが、今は復帰して現場責任者としてがんばってくれています💪🏻

ビルジョ それは大変でしたね💦今は治って復帰されているとのことで安心しました。社員の皆さんはどうでしょうか?

伊藤さん 社員にも大きな変化がありました。去年から今年にかけて、3人も辞めてしまいました。小さな会社ですから、大変でした。。。残ってくれた数名の社員で再スタート、私が毎日現場に出るという必死な時期がありました✊🏻💦今は、女性社員と24才の若手社員も入ってきてくれたので、またこれから組織作りや人材育成を頑張ろうというところです😉

ビルジョ 若手社員さんが入社されたのですね😳頼もしいですね。伊藤さんからみて、現在の清掃業に対して、新しく見えてきた点や課題などありますか?

伊藤さん 経営側から見ると、この不測の事態(コロナの影響など)でも乗り切れるように、おそうじ全般に幅広くやっておいて良かったと思いました🙋🏻‍♀️清掃業は、今後も時代の流れや変化に対応できるようにしておくことが理想ですね。そして、価格競争に巻き込まれないようにしていった方が良いと思います。これからの時代は、誰にサービスを頼みたいかという点が重要になってくると思いますので、ブランディング化、サービス業として地位を確立すること、それに見合った人材確保・人材育成が課題だと思います🙎🏻‍♀️

ビルジョ 2020年は、本当に新型コロナウィルス感染による影響を受けた方がたくさんいらっしゃったと思います。そんな中、清掃や消毒のお仕事など、求められることが多かった部分もあるかと思います💭

伊藤さん そうですね。弊社は特に消毒のお仕事は行いませんでしたが、清掃業全体が貢献している部分は大きいと思います。これからの社会に十分貢献できる仕事だという意識をしっかりともって、サービスの向上をはかっていきたいと思います。そのためには、安定した質の良いサービスを提供しつづけるため、基本的なおそうじマインドを確立すること。AIにはできない、人にできる優しさのあるサービスの提供、単なる作業ではなく、仕事を「志事」にできる環境作りをしていきたいと思います。そして、今後は、直接おそうじをする以外のお仕事も展開していきたいなと考えています😉

ビルジョ そうですね。今回の出来事をきっかけに、この業界が社会に貢献できる仕事であることがもっとクローズアップされ、携わる方達への世間の見方がもっといい方向に変わってくるといいですね🤗

ビルジョ 伊藤さんはお忙しそうですが、今、息抜きなど楽しみなことはありますか?

伊藤さん 12月25日に、えんとつ町のプペルという映画が公開されるのですが、その制作の裏側を知れる西野亮廣エンタメ研究所というオンラインサロンに入っていて、ワクワクしています🎵あきらめないで星の存在を信じる主人公と自分が重なるんですよね(笑)主人公はえんとつ掃除屋さんの男の子なんですよ。オンラインサロンは、ビジネスの参考にもなるし、いろいろな業種の方もたくさん入っていらっしゃるので面白いですよ。お掃除の仕事を面白く出来ないかなどいろいろと考えるきっかけにもなっています👍🏻あとは、両親が始めたお掃除という仕事を私が継いだことによって、私にしか出来ない社会に貢献できるやりかたがあるのだろうか、どんな風に役に立てるだろうかと日々模索しています。もちろん、休日は、母として子供との遊び時間を楽しんだり、疲れたときにはアロマを取り入れたり、自分時間もとるようにしています。日々、バランスをとりながら過ごすことがだいじですね。😊🌿

ビルジョ 素敵ですね🤩オンラインサロンなどにも入っているなんて、活動的ですね。息抜きや癒しのなかでも、お仕事への気づきなどもあるんですね💡すべてがみんな繋がっている感じです😆バランスをとることはとても難しいと思いますが、お話を聞くと伊藤さんのしなやなさが伝わってきます👍🏻

今回は、女性経営者の伊藤さんにお話しを伺いましたが、一人ひとり、個々の考えやモチベーションなどに目を向け、課題として取り組んでいることがとても印象的でした🙌🏻女性から見た清掃業の在り方など、違った角度から見た気づきが、お父様から受け継いだ株式会社アイビをさらに盛り上げ、進化させているのだと感じました😊✨

 

今回取材させていただいたのは

 

 

代表取締役 伊藤惠美さん
株式会社アイビ
東大阪市南上小阪
WEB https://ib-osouji.co.jp/