プロカーペットクリーナー 今野沙織 9年続けて見えたもの【後編】

プロカーペットクリーナーとしてご活躍の今野沙織さん。この業界で歩んできた9年のお話をビルジョが取材させていただきました【後編】です。

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プロカーペットクリーナー 今野沙織 9年続けて見えたもの【前編】

カーペットクリーニングにかける想い

株式会社リリグがカーペットクリーニングに特化してきたのは、まだまだ未成熟な部分だからだといいます。どんどんと遷移面積が増えてきている中、技術や情報がおいついていない現状があります。需要があるのに、なぜみなこの分野に関心や興味を持たないのだろうか。情報がすくないがゆえに、必要な機材を選ぶ際も、売れているから、人気がありそうだからという理由で購入している方も多くいるようです。適切な用途、正しい使い方をしらなければ、よい仕事はできません。もっと、プロのカーペットクリーナーを増やしたい。そんな思いが製品販売をスタートした理由だといいます。


社名である「リリグ」とは、「Realy Good」の造語で、Realy Good=本当に価値があるイイ商品をお客様に届けるという思いから名付けられた名前。イイ商品を届けるために、リリグでは全員で商品知識を学び、実際にみて、さわって、現場で試して、いい点もウィークポイントもわかったうえで、お客様の仕事の状況にあった商品を提案します。販売だけで終わらせず、使い方のレクチャー、アフターフォローまでを行っているそうです。

今野さん
先日は、みんなでアメリカの清掃関連の展示会Experienceにもいってきました。
大西さん
私も初めて参加しましたが、日本よりもカーペットが主流の本場アメリカでの学びは、とても多いです。
ビルジョ 大西さんは、広報担当として商品の説明から、現場での様子、今回のアメリカ視察などを動画やブログなどで発信をしていますが、はじめたきっかけは?
大西さん 私がここで働くことになったきっかけは、叔父である竹内さんの仕事の話を聞いて、リリグの仕事に興味をもったからです。今野さんとの関係も家族ではない、社員だけれども、それだけではない関係性がおもしろいなと思いました。

動画撮影・編集もこなすオールラウンドプレーヤーの役割

リリグでは、リリグTVというYoutubeチャンネルがあります。こちらのチャンネルでは、大西さんが撮影・編集を行った動画が公開されています。自社のサービスのPRや商品の広告かと思いきや、日々の活動や、現場での作業の様子、ケミカルや資機材の使い方を惜しげもなく公開しています。

Youtubeチャンネル
リリグTV:RILLIGU,TV(Youtube)
竹内さん うちは広告という広告はだしていません。それでもコアなお客様がインターネットやこうした動画をみて、問い合わせをしてきてくれます。
大西さん 私たちが伝えたいのは、竹内さんや今野さんの現場での様子を通し、正しい清掃の知識やこだわりを知ってもらいたいです。


大西さんは、動物が大好きだったことから動物病院で動物看護士として働いていましたが、猫アレルギーだったことがわかり断念。その後務めた会社では、営業所長として毎日忙しく働きますが、お給料もあがらず、このままこの仕事を続けてもいいのかなと思うようになっていきました。そんな時、自分の好きなことをしようと趣味で動画編集をはじめます。楽しく遊びながらつくっていく中で、この好きなことを仕事で活かしたいと考えるようになったそうです。竹内さんに「自分の能力でできることを探して」とMac(パソコン)を渡され、自分の好きなこと、やりたいことを見つけようとリリグで働くことになったそうです。

大西さん はじめは会社自体を知ってもらおうと企画し、動画を作成しました。業界知識を調べて学んでいくと、間違った知識や情報が多く、まだまだな業界なんだと感じました。カーペットクリーニング業界全体をもっとよくしていきたい。そう考え、知識や技術の情報を広めていこうとYoutubeチャンネルやブログで発信しています。この想いは、リリグみんなの想いでもあります。

10年目プロクリーナー今野さんが目指すこれから

「社長のおかげで9年間やってこられました」と話す今野さん。苦労も多かったのではと思いますが辞めたいと思ったことは無かったそうです。女性がパート・アルバイトでなく、正社員としてつとめ活躍できる職業であるといいます。

ビルジョ 今からこの仕事をやりたいと思った方が、今野さんのようになるために必要なものはなんですか?
今野さん やりたいという気持ちだけです(笑)そして、続けること。基礎的な知識を得るために、資格をとることもいいことだと思います。現場だけで学ぼうとすると、先輩から見よう見まねで覚えしまい、これがよいのか判断もできないと思います。私は、たまたま竹内さんに出会って、正しい知識や技術を身に着けることができました。誰にどう学ぶかも重要かも知れません


男性、女性、それぞれ向いている仕事、できる仕事はあると思います。現場に入ると、「ちゃんとできるのかな?」と思われる方もいると思いますが、しかし、プロの仕事をすればいちクリーナーとして認めてもらえる。若い女性が現場にはいってきて、明るく、元気にプロの仕事をすれば、印象にも残りイメージアップにもなる。これからの目標は、同じ想いをもった仲間を増やし、女性でも活躍できる業界にしていくことと語ってくれました。

今野さん 今は、知識や技術を高めるために、日々学んでいます。IICRCという国際資格CCT(カーペットクリーニングテクニシャン)、OCT(オーダーコントロールテクニシャン)も取得しました。自分を高めようと動いていると、だんだんと同業の仲間も増えてきました。素敵な出会いもたくさんあり、仕事を通じて人生が楽しくなることを実感しています。


竹内さんから、「運は訪れるのをただ待って、やっときたからと言って、捕まえられるものではない。自分から近づいていき、チャンスをつかむもの。」とお話しいただきました。
「ひとつでも選択が違っていたら、今の自分はいないかも」。今野さんがこの業界にはいったことも、自分から動き、掴んだチャンスだったのかも知れません。これから、プロカーペットクリーナーの輪を広げ、業界を盛り上げていきたいと語ってくれたリリグの皆さん。清掃というお仕事を通じて、人生を楽しんでいこうという気持ちが素敵でした。

今回取材させていただいたのは

株式会社 リリグ (rilligu.inc)

愛知県小牧市

TEL/FAX:0568-76-5937

WEB:http://rilligu.com/

@rilligu39