カーペットクリーニングを専門にプロの仕事を提供する、実務を主とした会社「ビルダーサポート」は、2018年に資機材などの製品販売を行う「株式会社リリグ」を立ち上げました。こちらで働く今野沙織さんは、お客様にプロの技術を提供する「プロカーペットクリーナー」としてご活躍されています。取材に伺わせていただいたこの日は、業界にはいってちょうど10年目となる記念の日でした。今野さんが「プロカーペットクリーナー」になるまで、この業界で歩んできた9年のお話をビルジョが取材させていただきました。今回は、代表の竹内さん、広報担当の大西さん、看板犬のhoppホップくんも一緒にお話を伺いました。
ビルジョ取材メンバーが駅につくと、今野さん、大西さんが迎えにきてくれました


愛知県江南市にあるこちらのショールームは、代表の竹内さんが内装まで手掛けた
アウトドアエッセンスの効いたおしゃれな空間です。看板犬のhoppホップくんも元気に迎えてくれました。
地元山形から愛知へ
ビルジョ 今野さんは愛知のご出身ではないと伺いましたが、なぜこちらへ?
今野さん 出身は山形ですが18~20歳までは東京の製本会社に勤めていました。当時仕事も忙しかったし、ちょっと人間関係にも疲れてしまって。。。仕事を辞めて、3か月ぐらい家に引きこもっていました。
東京で一人暮らしをしていた今野さん。このままでは、家賃も払えない。山形の実家に帰ろうとも考えたけれど、いろいろな事情が重なり帰ることができなかったそうです。そんな時、友人の知り合いに「うちの事務所の2階に営業時間外の電話番として住まないか?」と声をかけられ、この愛知に引っ越しをしました。
今野さん 友達の友達なので、それほど面識もなかったです(笑)でも、このまま東京にいてもどうにもならなかったので、勢いでお世話になることに決めました。
愛知に来てからは、職業訓練に通ってCADを勉強していましたが、だんだん働いてないことに罪悪感を覚えるようになってきたそうです。このままでは、だめだ。そう思い、ハローワークに通い、仕事を探しはじめます。通いはじめて3日間連続で画面の一番上にでてきたのが、「ビルダーサポート」でした。仕事内容は「カーペットクリーニング 現場スタッフ」。あまり人と関わらなそうな仕事かなと思い、応募をすることにしたそうです。

今野さんと面接をしてみて、正直大丈夫かな?と思ったそうですが、この職場が合うか、合わないかは男性、女性も関係ない。女性が働いても面白いなと思い、「きてみたらいいんじゃない」と採用することになりました。ただ、若干20歳で人生経験も少ない、土地勘もない今野さんがここで暮らしていけるのかが心配だったそうです。

何もできない自分が少しずつ変わってくる
ビルジョ 初めてはいった業界で、どのように仕事を覚えていったのですか?
今野さん 仕事があればいいやぐらいに思ってはじめたので、最初はひどかったです(笑)
いまでこそ笑い話となっていますが、竹内さんに「ここからここまでをこんな風に拭いて」といわれ、ずっと拭いてました。
竹内さん もう少しで終わるかなと思って覗いてみても、まだ拭いていた。もう終わるだろうと思ってみてみたら、まだ同じところを拭いていました(笑)
竹内さんも今考えれば、「初めての人は何もわからないか」と思うそう。まったくの未経験、社会人経験も少ない彼女に、社会的な常識もふくめて具体的に教えていかなければいけないなと思い、少しずつ、少しずつ育てていこうと考えたそうです。
今野さん まだ1年目の時、一日現場にいても何もできない状態でした。でも、そんな私にもお客様が「ありがとう」といってくれました。うれしかったのと同時に、頑張らなきゃなとも思いました。いつからかはあまり意識してなかったですが、3年目ぐらいからだんだん気持ちも変わってきて。この業界でやっていきたいと思うようになりました。
今野さんは、「褒められたら伸びなかった」といいます。竹内さんは、今野さんに熱をこめて仕事を教えてくれたそうです。「スパルタに近かった(笑)」と笑いながら話す今野さんも反骨心が強いタイプ。指導にくらいついていき、技術を学んできたようです。「山形おしんイムズ」があると竹内さんも語っていました。
仕事のことだけでなく、業務の無い空き時間には観光名所などあちらこちら案内をしてくれたそう。愛知を知ってもらおう、自分が働く地域を好きになってもらいたいという竹内さんの優しい想いでした。
今野さん 入社当時はペーパードライバーで「ブレーキとアクセルはどっちですか?」と質問しました。マニュアル操作の運転練習もつきあってくれました。
竹内さん 今じゃハイエースを運転して、バックでの駐車も一発で決めてくれます。これも9年間の成長です(笑)

一人前のクリーナーとして育てようという竹内さんの熱い思いと、それに応えようと努力をし続けた今野さんとの間にある関係は、「お客様にいい技術・商品を提供したい」という共通の想いがあるからだと、お話を伺って感じました。
お二人の仕事を「おもしろそうだな」と思い、リリグで広報をメインにオールプレイヤーとして働くことになった大西さん。次回は、リリグさんのカーペットクリーニングのかける想いと、大西さんの果たす役割、今野さんのこれからの目標をご紹介いたします。
後編に続く
